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2008年04月26日

二股山(2004・1・12)

二股山 2004年1月12日 

ぺんぎん登山隊、平成16年の初登山は鹿沼市の西、山頂をスッパリと二つに切ったまるでお尻の様な山容を持つ二股山(570m)にした。

隊長の「楽チンなとこがいい!」と言う意見と私の「お金掛からないところ・・」というのがピッタリ一致した選択だった。前夜におにぎり用のお米を研いでセット万端、標高570mという数字に隊長も満足で布団に入った。

 翌朝、9時30分に家を出て鹿沼市に向かう。鹿沼市内を流れる黒川に架る貝島橋手前の高台から正面に二股山のそれと判る山容が大きく見える。今日は通い慣れた大芦川自然クラブがある古峰ケ原に向かう交差点を曲がらずに石裂山方面へと直進する。大芦川を渡り左に荒井川の流れを眺めながら久我へと走る。途中、岩の下バス停手前で岩淵林道へと入り、左右にシイタケ栽培の杉林を通り抜け林道終点に駐車。車は大体5台くらいは駐車出来る広場だ。

二股山(2004・1・12)
低山とは言え杉林の鬱蒼とした登山道入り口は陽も射さず車から下りた身体には少々肌寒い。先着の車が2台駐車してあるが、辺りに人気も無く深遠とした雰囲気である。二人とも上着を一枚重ね着して歩き出す。

 ちょろちょろ流れる小沢に架る丸太橋を渡りいよいよ登山道に歩を進める。と、前方から老夫婦が足取りも軽く下山して来るのに出逢った。
「こんにちは!子供でも行けますか?」と挨拶混じりに問い掛けると「危ない所も無いし大丈夫ですよ、1時間くらいで山頂に着けますから。」とご主人の方が応える。「あら、50分で登れたわよ!」と奥さん。10分の違いにこだわる奥さんの話し方が妙に可笑しかった。「でも手前の山頂から向こうの山頂へ行くのが急斜面ですから気を付けてね。」とご主人のアドバイス。「向こう側の山頂まで15分だから!」と奥さん。「じゃあ子供連れで1時間ちょいですね、向こう側までだと1時間半かな?」と多少多めに見積もって応える私に奥さんがニッコリしてくれた。まずは優しい老夫婦に御礼。

二股山(2004・1・12)

 杉林の斜面を九十九折れで登る。身体は温まり肌に薄っすらと汗が滲んで来る。しかし陽の射さない斜面の空気は凍り、吸い込む鼻や喉が痛いほど冷たい。キンキンに冷えた空気を吸い込んで頭の芯が痛くなる。首から上と素手の両手だけが別世界に居るようだ。低山と高をくくって来たが年末年始にダラダラ過ごした身体はもう悲鳴を上げそうだ。

隊長はと言えば「疲れた~!」を連発しながらも小走りで歩いたりしているので余裕はあるのだろう。しかし「ちょっと休もうよぉ~!」と言い出すところは子供にも冬休みボケが残っているのだろうか。
只、休むのは願ったり叶ったりと言いたいところの私なのだが、何せ寒いのだ。立ち止まると汗ばんだ身体が一気に冷え込んで堪らない。明るく陽が射す斜面上部まで登れば・・・。
 

「もう少し、もう少し」と休憩を引き伸ばして、やっと一畳ほどの陽だまりに辿り着いた。二人とも倒れこむように腰を下ろして汗を拭う。しかしここまで時間にして30分しか経っていない。「まだ半分も登って来てないね。」と隊長に言うと「ふうー・・」とため息をついて飲んでいたジュースのフタを閉めるのだった。
「行こう!」隊長の号令で出発する。

 出発してほどなく右に左にと折れ曲がる登山道も、どうやら陽が差し掛かる高さまで登りついた。九十九折れだった登山道がいつの間にか尾根に出て直線的な登りになりはじめる。と、小広く開けた尾根にNHKテレビ中継送信所の建物が見える。送信所の鉄塔下を抜けて登山道は尾根に消えて行く。先行していた隊長が「おと~さん!早くぅ~!!」と大声で呼んでいる。

呼ばれて先を急ぐと逆光の中に手招きする隊長の姿が浮かんでいる。「きれいだよ~、早くぅ~!」どうやら景色の良い所に居る様だ。「綺麗に見えるの?」と聞きながら彼の立つ場所まで行くと、なるほど眼下に広がる景色が爽快だ。

二股山(2004・1・12)

 景色を眺めている私に「おと~さん、もう道無いよ?!」と隊長がおかしなことを言う。「そんな筈無いよ、さっきのおじさんが頂上まで難しい所無いって言ってたじゃないか。」と私。小さな祠の隣に立ち「ほら、先に何も無いでしょ!」と言いたげな顔で先の空間を指差す隊長。なるほど、転げ落ちそうな斜面が目の前に見えるだけである。

 「道が無いんだもん、ここが頂上だね。」と隊長がもっともらしい事を言う。「ちょっとガイドブック見てみるよ。」と言い本を広げる。”テレビ塔を過ぎ小さな祠のある北峰に着く”と書いてある。「ピンポ~ン!大当たりだ。でも休んだ所から10分くらいしか来てないね。車から40分で来ちゃったね。」と言う私に「あのおばさんに40分で行けたよって言ったらどんな顔するかな?」と意味あり気な隊長の一言だった。

二股山(2004・1・12)

 さて、ここが北峰の頂上だとしたら南峰に続く道がある筈である。よく見ると両峰の間のコルへと下りる道は道と言うより岩稜の段々と言った感じで鎖もロープも無く、隊長には5級の下降登攀技術を要求されるところである。まあ、文字で書いても判りづらいので右の写真を見て欲しい。隊長が手を振っている下の岩壁を下りるわけである。
 手を引いて行けるような斜面でもないので北峰頂上で待っているように言い、私が単独で南峰へチャレンジとなった。「落ちないでね!」と隊員を心配する優しい隊長であった。

 岩稜の急斜面を下りコルに立つ。両峰の岩壁にはさまれた静かな場所である。コルからは右に巻き気味に道があるらしいのだが左に行く急登の斜面に踏み跡が多く、私もこれで登り南峰の頂上に立った。ちなみに所要時間7~8分、あの奥さんの顔が浮かんで思わず笑ってしまった。
 頂上には三等三角点があり日光・石裂山・横根山方向に展望が開けている。とはガイドブックの受け売りで例によって「なるほど!」とうなずけるのは日光男体山のみであった。

二股山(2004・1・12)

 隊長を残した北峰へと目を向ければ私の赤いザックが見えている。「お~い、どこだ~?!」と隊長に声を掛けると「ここだよ~!」と手を振る姿が見える。さっき別れたばかりなのに妙に懐かしくなり北峰への戻りのルートを急ぐ私だった。

 北峰に戻り隊長と昼食。陽だまりで食べるおにぎりがとても美味しい。ちょっと寒いので今日は特別にバーナーでコーンスープを作る。熱々のスープを3口ほど飲んで隊長に渡す。容器が再度私に帰って来た時には空っぽだった。まあ、良いか・・・。
 おにぎりを頬張る隊長はいつ見ても幸せそうだ。こいつはおにぎりに限らず何か食べている時が一番幸せそうで、そしてまた大人しい。
シャイな隊長を手なずける方法は食い物を与えるのが一番早いので皆さん覚えておいて下さい。

二股山(2004・1・12)
 
 昼食をとっている間にご夫婦がやって来た。南峰への道を説明して見送る。到着時に会った老夫婦や今出逢ったご夫婦、途中で会った人たち。最低でも挨拶、話し掛ければ色々と会話が広がる。登山は結構コミュニケーションの多いスポーツなのだなぁ・・とあらためて思う。みな良い人たちばかりでそれだけでも気持ちが優しくなれる気がする。

 南峰へ登頂したご夫婦を確認して昼食の後片付けを済まして下山を始める。登る時はゼーゼーして登った道も下りとなれば快適だ。登山道脇の涸れ沢に少しづつ流れが現れ、それがしっかりとした水音を立てて小沢となる。隊長は川の誕生の不思議を知り満足の様子。途中、岩に掘れた洞窟を見つけて覗きに行くが何も無かった。最後に丸太橋を渡って車止メに到着。新年の初登山も無事に終了出来た。



タグ :登山

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