青空に誘われて

副隊長

2012年01月17日 00:01

朝起きてみると窓からキリッとした明るい陽が射していた。窓枠に入り切る限りの空は青く澄んでいる。今日は何をする予定も立てていないが、これでは黙って寝ているには罪悪感が有り過ぎる。枕元にある携帯を開き時刻を確かめる。何の予定も無かったから既に9時を大きく越えた時間だ。山でも歩くか…。今から登れる山は限られている。即座に眺めの良い山頂を頭に浮かべて身支度を済ませる。

凡そ30分後の私はもう登山道を歩いていた。杉林の登山道に枝葉をすり抜けて幾筋かの明るい日差しが射し込んでいる。

休日はクライマーで賑わう岩のゲレンデも今日は静かで一筋落ちている滝の音だけが小さく聞こえている。

ゲレンデの下を通り過ぎゴロゴロの岩が折り重なる登山道を登る。山の冷たい空気を吸い込んで器官がジ~ンと痛い。冬の山登りはこれが結構堪える。正月明けの身体は完全に鈍りきって心臓がバクバクして口から飛び出しそうだ。後半になる程に急登となる登山道をゆっくりと歩く。それでも歩みを止めなければ確実に山頂まで行けるのが登山の良い所だ。
稜線を歩く人の声を確認出来る所で一息入れてから一気に山頂まで登り切る。

岩を回り込むと山頂の小さな祠の向こうに日光連山が見事な姿で見える。今朝布団の上で思い描いた風景がその期待通りに広がっている。冬の登山の良さは遠くまで澄んだ景色を眺め楽しめる事だ。目を転じた先には高原山の上空で飛行機雲が尾を引いている。広々とした風景が広がる。

ひとしきり山頂からの眺めを楽しんで下山。朝起きてから凡そ三時間で帰宅。急に思い立って手軽に楽しめる山が近くに在る事は幸せだ。



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